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「書けないんじゃない、考えてないだけ。」表現の難しさを感じた

書けないんじゃない、考えてないだけ。

かんそうさんの「書けないんじゃない、考えてないだけ。」を読み終わったので、要約と感想を書いていきます。

読んだ感想としては、この本は文章術のハウツー本ではない。これを参考にしても文章が上手くなるとは限らない。でも熱意がすごいのはわかります。

目次

書籍情報

本の名前:書けないんじゃない、考えてないだけ。
著者:かんそう 
出版社:サンマーク出版
定価:1,500円+税
著者プロフィール:2014年から、はてなブログにて個人ブログ「kansou」を運営し記事数は1000超、月間PVは最高240万アクセス、累計PVは5000万アクセス。あらゆるカルチャーの「感想」を綴っている。

内容要約

文章の「キモさ」と秋元康

文章を書くというのは「キモさの見せ合い」であり、誰がより「キモい」文章を書けるかの勝負です。ここでの「キモさ」とは「強かさ」です。その戦いを制するためには、自分の中に「イマジナリー秋元康」を飼ってください。

秋元康ほど言葉を自在に操れる人はいません。彼のすごさは、「キモさのリミッターが解除されている」ことにあります。他の作家が無意識に良い方を選ぶのに対して、秋元康はブレーキが壊れている改造車のように、どんな言葉でも使いこなし、躊躇せずに突き進んでいきます。

普通の作家が1000の言葉を知っていても500~600しか使わないのに対し、秋元康は1000すべてを使いこなします。そのため、ペースが落ちることなく多くの作品を生み出し続けることができるのです。

秋元康の「恥ずかしい」という感情が欠落しているからこそ、どんなジャンルの曲にも歌詞をつけられ、無限のアイデアを具現化しているのです。

「文章に正解もルールもない」

文章を書くことに正解やルールは存在せず、ただ書くという行為が重要です。

アメリカのロックバンドNirvana(ニルヴァーナ)のフロントマンだったカート・コバーンの「ロックの歌詞は聞き取れなくていい」という言葉のように、魂から出た言葉は意味が分からなくても心に響くものです。文章を極めるとは、その枠を捨て去ることと同義であり、「ぼくのかんがえたさいきょうのぶんしょう」が正解。

うまい文章の書き方にこだわる必要はなく、自由に自分の思いを表現することがなにより大切です。

読んだ感想

言葉が乱暴、感情的

文章には熱量があり、スピード感もあります。感情が強く込められていることもよく分かります。言葉を飾らず、思ったままの言葉で発信しているからこそ、このような表現になっているのでしょう。

しかし、そのために読んでいて疲れました。まるで言葉の石を投げられているようで、読み終えたときには心身ともに消耗してヘロヘロに。

文章中には「てめー」や「ババア」、「キモイ」といった言葉が出てきますし、下ネタも含まれています。ブログのファンはこれに慣れているのかもしれませんが、初めて読む私には最後まで読むのがつらかったです。

こうした言葉選びも含めて「かんそう流」なのでしょう。しかし、私にはその言葉遣いが乱暴で品がないように感じられました。

文章術・ハウツー本ではない

この本は、「上手な文章を書くためにはこうしましょう、こうするといいですよ」という典型的な文章術の指南書ではありません。むしろ、著者が過去に書いたブログ記事を具体例として解説する、一種の解説本に近い内容です。

どれだけ「かんそうの世界」を詳しく説明されても、それはあくまで著者自身の世界であり、他の人が同じものを作り出すことはできません。私たちにできるのは、そのスタイルを真似しながら、自分で考え、自分自身の世界を作り上げることです。

読者として、著者のアプローチを参考にしつつ、自分だけの独自の文章スタイルを見つけていくことが重要です。

書けないんじゃない、考えてないだけ

この本を読んで感じたことを素直に書いてきました。

最後まで読み終えて、感想をどうまとめようかと考えているときに思ったのが、「この文章、気持ち悪い(失礼)」と感じる読者もいるかもしれない。でも、もしかすると、かんそうさんはそれを計算して書いているのかもしれません。

本の中で、かんそうさんは「好きなものにしか触れずに生活していると視野が狭くなり、本当に見るべきものが見えなくなる」と述べています。また、過去の記事を引用しているのも意図的だとも。

もし、この本が「嫌いな物」だとしたら、あえて引用を多くすることで「読みにくい」「参考にならない」と思う読者に、「こういう本からでも学ぶことはある。この本だからこそ見えるものがある」と伝えようとしているのかもしれません。

もしそこまで計算して書かれているとしたら、かんそうさんは本当にすごい人だと思います。

まとめ

この本を人におすすめできるかと聞かれると、正直悩みます。
しかし、要約しているように大変参考になった部分もありました。

もし購入を検討しているなら、ぜひ店頭で内容を確認してからにしてください。
最初から強い個性が表れているので、「はじめに」の部分で合わないと感じたら、その時点で撤退するのも一つの手です。

世の中には他にも参考になる文章術の本はたくさんありますから。

それでは、今回はここまで。

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